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時代が求める脳波測定機
バイオフィードバック装置の歴史と現状

~ 例えば、脳波の研究が歴史的に盛んであった80年代にアルファテックの1号機を開発されて、そこから色々な推移があって当時のニーズと今現在のニーズが変わってきているということでしょうか?

バイオフィードバック装置の歴史と現状志賀 そうなんです。「バイオフィードバック」というのは、なんでもそうですけど、例えばピアノを弾いたら音が聞こえてきて譜面通りに演奏しているか、していないかは音を聴くことによって理解し、修正しますよね、それで上手になっていく。ボールを投げるのもね、ストライクか外れたかっていうのも見て修正をして上手になっていく。人間の脳はフィードバック情報さえあれば目指すものに対してうまくコントロールできるように能力が使われて、一方フィードバックの信号がないとどうにもならない。その中で、脳の働きにおいてはそのプロセスにおいて「脳波をみるとアルファ波が出るような状態って集中できていてうまくいくよ」っていうのが分かっているわけです。

~ はい

志賀 そこで脳波を計って、アルファ波が出ると音で教える、鈴虫が鳴く様な音が聞こえてくる。瞑想をすると鈴虫の鳴る時間が長い方がいいよとか、より長くて強い音が鳴る様にフィードバックを手がかりにしてコントロールすればいいという考え方。これはアメリカで考案されたのだけど、目的は何かといえば、あの当時は脳の働きの不具合を修正することだから、心身症とか神経症に対しての治療、医学的な目的だったんですよね。

~ そうだったんですか。

志賀 私は、そこに興味があってアメリカの学会に参加しながら色々な装置を見たけど、日本では治療目的では難しいでしょ? 医者であれば別だけど。そこで、脳の働きをコントロールして勉強に集中できるようになったり、スポーツの試合で実力が発揮できるようになるために使えないかなと思って私が最初に手掛けたのが、松下電器で学習装置として開発された第1号機なんですよ。

~ ということは、医学的な目的としてアメリカで開発されたものが日本では能力発揮のためのツールとして使っていこうじゃないかという事で開発されたということですね。

ナショナルより販売された初期機種(1982年) カセットと連動するモデルは世界初!志賀 そうなんです。私は医者じゃないから医学的には使えないので学習として使えるんじゃないかと、色々と実験を重ねたのですが、結果は本当に予想通りのものでした。たとえば英語の苦手な人がアルファ波が出る状態で英語を聴いていると、なんだか分からない内に覚えてしまうとか。アルファ波が出るとカセットテープが動き出して英語が耳に入って条件づけされてしまう。そうすると、英語が聞こえるとアルファ波が出てしまう。無意識にリラックスして集中できてしまう。

~ 良い状態の時だけ聴こえてくるという、嫌々勉強するという事ではないということですよね。

志賀 いつの間にか苦手な英語だったのに苦手意識が消えて、なんか得意な感覚というか好きになっていく。好き嫌いっていうのも理屈ではなく、「なんでこれ好きなの?」って聞かれても、だって好きだもん(笑) じゃあなんでこれは嫌いなのと聞かれても、だって嫌なんだもん(笑) そこに理屈をくっつけてもそれは後付けで本当の事はわからないんですね。でも、脳波を計ると分かる。

~ 目で見ることができるわけですからね。

志賀 そうですね。アルファ波がいっぱい出ている状態って共鳴だから好きで受け入れている。アルファ波が出ない時っていうのは共鳴しないで拒絶している。そうするとアルファ波が出る状態で勉強をすれば勉強が好きになってくる。そういうような学習装置として開発し、松下電器から販売したんです。当時としてはかなり高かったよ、27万5千円だったかな? そこで私はもう少しコンパクトな装置が欲くて自分で新たに開発し販売した。それがアルファテックのシリーズです。

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アルファテックⅣ 購入
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